携帯男 -5ページ目

お知らせ(3)

hikiyowaさんが読者になってくれました。

何でもござれ~!!(゚Д゚)

ご自身のコミカルな性格がよくでていて面白いです。

さくらのブログのどこに面白さをみつけてくれたんですか?


まさか…ご自身が出会い系愛好者だったとか…


そろそろ第1章がおわります。

第1章はサクラ業界の紹介っぽくしようと思っていたのでまーちゃんとかあまり出ません。

あと1回くらいでるかもです。

2章から人間関係とか描いていこうかなって考えでいます。


ブログはじめて約2週間、はじめは張り切っていたけど、

早く書くと、早くおわっちゃうし、ほどほどやってこうかなと…


微妙にアクセス数が減っきてて、心配なさくらでした☆

やっぱ、トラバとか頼みにいかないとダメかなぁ

お知らせ(2)

kakira さんが、読者になってくださいました。

恋綴り

ナンパされまくりの、フェロモンでまくりお姉さまのようです。

うらやましいですね~。写真アップしてもらいたいですね~。

実経験から、わたしのお話を斬ってもらいたいです。

コメントまってますね~。


synapse さんが、読者になってくださいました。

シナプス

日記ブログをつけていらっしゃいます。

北陸の方とおみうけいたしますが…

食べ物の話がおいしそう。

食べて、おおいに恋して、イタリア人のように陽気に生きたいですね。


natukoさんが読者になってくれました。

だって好きなんだもん

恋愛の記録、でしょうか?

体裁がかわいいです。書いているないようもかわいいです。

で、わたしも読者になりました。(*´ー`*)

モブログでやってられるんでしょうか?


uran0622さんが、読者になってくれました。

干物女の悪あがき

20代後半だそうです。読んでると現実的です。

20代後半くらいの女性を攻略するためのヒントが潜んでいるかも…


さくらはエアコンと外気の温度差にやられて参ってますが…

いっきに4人の読者さんがついてくれました(*゚ー゚)

読んでくれた人が、「時間の無駄だったorz」とがっかりしないよう、がんばります。

ヽ(´ー`)ノ

お知らせ(1)

1回目のお知らせですが、情報が飛んでしまったので書き直します。


みずほ#さん。
出会い系サイト面接Diary

わたしがブログを立ち上げたときから優しくみまもってくれる優しい方です。
お世話になっています。
さくらとは逆の、真面目な出会い系の話題をとりあげていらっしゃいます。
さくらのブログとは太陽と月のような関係ですね。


atriderさん。
初めて読者登録してくださった方です。
枯葉剤
シュールな名前です!
さくらとは逆の、出会い系を利用者としての立場から批評されたりされています。
さくらのブログとは太陽と月のような関係ですね。

最近、鬱とかどうですか?


また、思い出したことがあったら追加して書きたいと思います。

17.たくましくなった、私

今月も25日が過ぎた。
サラリーマン達は給料をもらい、メールの返信も数が多くなった。


まっつあん(3395pt) → ほのか(只野) 「彼氏いないって言ってたでしょ?エッチなんてちょっと深いあいさつみたいなもんだしさ~」


まっつあん(3325pt) → チカ(只野) 「給料でたしよ本カノいねえし、金つかうことないじゃん。ウマいものでも何でもおごるからさデートしない」


まっつあん(3290pt) → ちづる(只野) 「焼肉でもなんでもいいよぉ明日土曜でガッコとか休みでしょ?この前僕とやってもいいってとこまで言ってくれたじゃん」


この人は、この3人のキャラがお気に入りだ。
長い付きあいをさせてもらってる。


一気に3人からOKがきたらどうするつもりだろう?


でも、わたしにとってみれば3倍効率がいいわけで、期待をもたせる内容のメールを送って気前よく返してもらう。


ほのか(只野)→ まっつあん(2660pt) 「うん、ひさびさエッチしてないしわたしもやり方忘れちゃうヨいっしょにでかけようっか?」


ちづる(只野)→ まっつあん(2590pt) 「いいよーハタチすぎてから外泊してもなんにもいわなくなったしねうちの親も」




ちょっと、ここらでトーンダウンしてみよう。


チカ(只野) → まっつあん(1680pt) 「でもそろそろ生理なんだよねデートしてるときにドバッときちゃうかも」


ちづる(只野) → まっつあん(1575pt) 「でも親って泊まりっていうとあんましいい顔しないし、映画みてお買い物するのが本当の目的だからね」



このタイミングで条件のいいキャラを作って送る。『捨てキャラ』である。


紀香(只野) → まっつあん(945pt) 「すぐ会えることが何より大切なの顔は名前の人によく似てるっていわれるよDカップの胸がちょっと自慢気にいらなかったらそのまま帰っていいケド今日会えたりしないかなぁ」


一発で反応がないなら、その後も何通か送るつもりだったが、すぐに反応が出た。


まっつあん(910pt) → チカ(只野) 「ちょっと残業が入って何時に終わるかわからないんだ今日はちょっと期待してくれないでいた方がいいなごめんよ」


まっつあん(840pt) → ちづる(只野) 「ごめんね携帯のほうに仕事の連絡入ってすぐ行かなきゃならないんだ明日になるかもしれないし今日は中止ってことで」


まっつあん(770pt) → ほのか(只野) 「ごめんよー今仕事の電話はいって今日はムリポだよ埋め合わせすっからまたこんどねー」


わかりやすい男だ。
ちょっと怒っちゃうぞ…


ちづる(只野) → まっつあん(735pt) 「仕事と私、どっちが大事なのおかげで今日やることなくなっちったよせっかくの週末なのにさ」


ほのか(只野) → まっつあん(735pt) 「せっかく3日も前から準備してたのにぃほんとうに償いしてくんないと怒っちゃうからね」


わびの返信も出さないか、こいつめ~。


その後『紀香』を使って遅い時間まで何通か送ってひっぱる。
で、丁寧におことわり。


紀香(只野) → まっつあん(2870pt) 「他に熱心に誘ってくる人がいて…今夜はその人にYesしちゃったのまっつあんとはせっかく知り合えたし、この次ってことでいい?」


紀香』に対して文句は来なかったが、さっき断ってきたキャラ達に連絡が入った。


まっつあん(2800pt) → ほのか(只野) 「仕事思ったより早くすんだやつぐないでもなんでもするからこれから来れるだろさっきまで準備してたんだから」


まっつあん(2730pt) → チカ(只野) 「おーいお前のためにがんばって仕事早くかたづけたぞまだ起きてるなら返事くれ」


まっつあん(2695pt) → ちづる(只野) 「行ってみたけど、仕事無かったよ今から大丈夫かい?」


もう遅い。


ほのか(只野) → まっつあん(2660pt) 「あれっ?済んだんならどうしてもっと早く言ってこなかったの~お風呂でちゃったし今から寝るとこだよ」


チカ(只野) → まっつあん(2660pt) 「おそいよもう2時間早く言ってくれたら出られたけど今日はもうムリポだよ」


ちづる(只野) → まっつあん(2625pt) 「えー今日はダメっていうからもう他の友だちと約束しちゃったよもちろん女友だちだけどね…」


デートの中止を持ちかけてきたのは自分のほうなんだから、こちらに非はない。
3キャラの信用は傷つかずに済んだ。


また、お付き合い願おう。
ムハハハハハ…


結局このお客さんは、わたし以外のサクラのキャラにも手を出していて深夜過ぎまでに給料の半分近くを使った。


自分で罠をつくり、ポイントを浪費させる。
そこにある状況をうまく使い、アポなどのピンチをきりぬける。


こうして、わたしはサイトからもある程度成果を期待される、中堅どころのサクラへと成長しつつあった。


16.どうとでも、言える

名作の呼び名高い映画、『イヴの総て』。
ラストのほうで映画界の黒幕が女優をモノにするために迫るシーンは圧巻である。


女優: 「笑わせないで。」
男:  「笑うがいい。」
女優: 「古い言葉ね。」
男:  「この世界は古いんだ。」


結局、人間的に強いものが話をまとめてしまう。
正しいスジなんていうものはかき消されてしまう。
そういうことって多くないだろうか?


柔よく剛を制す  剛よく柔を断つ
神様がいるって証明できる?  それなら、神様がいないって証明できる?


もう40歳だもんね… ⇔ まだ40歳だもんね。
がんばって!  がんばりすぎないでね。
女は強いんだからね!  だって怖いよ。女の子だもん…。
最後まで残ってくれた人を選ぶわ  追うと女は逃げるのよ。
好きだからいいじゃない?  本気なら、いい加減にしないで!
がまんできなくてメールしたの。  しつこくすると嫌われるって思ってメールしなかったの。
自分にないもの持ってる人に惹かれるよね  私達、似たものどうしだから惹かれあうんだね。


正反対のことを言ってみても、あまり不自然は感じない。
カップルでも、イニシアチブのあるほうが未来を作っていく。


だけど、あんまり強い女を男は好まない。
下手に出ながら都合のいい言葉を引き出せるかがポイント。


コツの一つは、『質問形式でメールする。』
返ってくるメールの内容は、その質問の答えとみていい。


男は基本的に女に嫌われることは言ってこない。
自分の心の広さを見せるか、ポジティブな方向で書いてくる。


だいたい、書いてくる内容は予測できるのである。
こうして、会話の先を読んで、会話を仕切っていく。


どんなバカっぽい言葉を使っても、話の流れをきめるポイントは外さない。


すっかりズルくなった…。
そう感じた。


あまり受信数が低かったり、客を怒らせるサクラはクビになってしまう。
強くなる必要があった。


生きのびるために…

15.燃える男


ジュン(2095pt) → アスカ(只野) 「186cm、A型某慶応大学を出て上場企業に勤めています。週末のドライブでも楽しみませんか?」


単発で送ってもゲットできる確率は低いとみたのか、五月雨式に出してきた。


ジュン(2025pt) → みえ(只野) 「186cm、A型、某慶応大学を出て上場企業に勤めています年上のあなたとなら安らげるかとメールしてみました。あなたの言うところへ出て行けますが、これからどうですか?」


ジュン(1920pt) → 未来(只野) 「186cm、A型、某慶応大学を出て上場企業に勤めています未来ちゃんからみたらちょうどお兄ちゃんくらいの歳かな?何時までなら遊べるの?」


ジュン(1885pt) → ともこ(只野) 「186cm、A型、某慶応大学を出て上場企業に勤めていますお酒の友だちもう見つかりました?カクテルの種類には詳しいですよ」


前半の部分は定型文だろうか?
この人はこんな感じで60万円以上、サイトにつぎ込んでいた。


なぜ、使ってしまうのだろう?


わたしが思い至った『タイ焼き理論』はどうだろう?


まず、タイ焼きをしっぽからかじってみた。
アンコが出ない。
何口かかじっていると、ようやくアンコが出てきた。
アンコが頭の方に、かたよって入っていたのである。


こんな感じで、


これだけスカを引いてきたんだ…
確率から言って、そろそろゴールドラッシュかもしれない。


次のポイント消費で金脈にカチンとあたるかも。
もう、このポイント購入で止めよう。


と、続けてしまうというもの。
アンコ(出会い)が出てくると思って。
もちろん、それまで消費したポイント代を無駄にあきらめるのが惜しいという感情も見逃せない。


ジュン(1815pt) → なつみ(只野) 「身長186総合商社勤めで某有名私立大を出てます最寄の場所まで車が出せますがもう他に決まった人がいますか?」


今度は学校名かくしましたか。
いろいろ試しますな…

この人は、この情熱をもって、受験競争を勝ち抜いたのかもしれない。


もしこの人が、このサイトの裏にはサクラしかいないと知ったら、どうするだろう?


プライドの高そうな人だし、
「こんなサイト、けしからん!」
と、猛烈に嫌悪して、とうてい入会なんかしないと思う。


ただ一つの事実を知るか知らないかで、人間なんて180度反対の行動を取ってしまうものなんじゃないかと思った。

14.同期のサクラ

今日もサクラだ、仕事だ。
出社してタイムカードを押す。


わたしがいつも座る席へいくと、関野さんはもう隣に座ってメールの返信をしていた。
私より、1時間早いシフトだったらしい。


「私も今日、22時あがりなんだけどさ…。」
ささやき声で私に言う。
「只野っち、よかったら今日の帰り、ちょっとだけ時間とれる?」


何の話をされるのか、おぼろにわかっているつもりだった。



――22時、定時。
私と彼女は並んでタイムカードを切った。


駅とは逆の方向にある、ジョナサンへ向かう。


二人、無言で階段をのぼる…


窓際の席に座る。ドリンクバーを注文した。


「仕事、慣れた?」
ストローの入った細長い紙袋をちぎりながら、彼女は尋ねてきた。


「いい意味で手の抜き方覚えた。っていうかね…。」


あいまいに返事した。


「ちょっと、信じられない…。」
そう言って、アイスコーヒーのはいったグラスにストローをさし、吸う。


彼女も、客から送りつけられるエロメールにあてられているようだった。

「でも、ネットの向こうには、送ってる人が実在するんだよね…」


そう言われて少しハッとした。


そうなのである。
まるで看護婦が、患者の局部に触れるように、職業化して恥じらいも反応もなくなってきたが、
送っているのは現実の男たちなのである。


「やめるときって、どうすればいいのかな?」
(本題が来た!)と思った。


サクラのバイトは回転が早い。
やはり人を騙すことに疑問を感じたり、客をうまく回しきれなくてキツい野次をもらったり、
適性の高い人(?)もいるけど、精神的負担が大きい。
離職率が高いのである。


「一ヶ月前に言っておけばいいと思うよ。」
そのはずである。


「もし、私が辞めるときは、只野っち、一緒に言いに行ってくれる?」


彼女は杉並に実家がある。お小遣いももらっている。


わたしだって、できれば続けたくない。だけど彼女とは事情が違うのである。


わたしは、その旨と、今はバイトが見つかりにくいことを説明して「何とかもう少しがんばろう。」ということを持ちかけた。


「わかった。がんばろうね。」
そう言ってくれたけれど、続ける意欲が湧いてきた、という感じではなかった。


駅に向かって、二人歩く。


無言のまま…。


最近、仕事をする姿にどこか元気がなく浮いていたのだが、やはりそういうことだった。


改札近くでわかれた。


彼女と私は同期のサクラ。
散るときも一緒か?


13.まーちゃん①

今日も仕事だ。
アポを回避しなければいけない客達の名前が浮かんできて、気分が重かった。


出社してタイムカードを押し、席につく。
パソコンのスイッチを入れた。



では、どういう客がいいのか。
会いたいと言わない。直の電話番号やメールアドレスを聞いてこない。
エロネタなどを話さない。
返信してくれるときは、いつでもいくらでもしてくれる。


雑談するだけでお金をくれと言ってるようだが、そういうお客がいい。


まーちゃんからのメールをみたのは、この日が初めてだった。


まーちゃん(945pt) → ゆりこ(只野)「すぐ会える人?」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(945pt)「どんな人さがしてるの?呼べば相手が誰でもホイホイ出てくると思ったの?わたしがどんな女だと思ってメールしたの?」


イラついてるのか、キツい内容になった。


まーちゃん(910pt) → ゆりこ(只野)「ゴメンふつうに話きいてくれたり聞いてあげたりできる人がほしいよ」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(910pt)「聞いてもらいたいことが何かあるってこと?」


まーちゃん(875pt) → ゆりこ(只野)「仕事で失敗しちゃって仕事はキツいし、友達はできないし負担ばかり大きくて未来に明るい材料がみえない…」


地方の不景気の影響だろうか?


わたしだって、参っていた。
ゆりこ(只野) → まーちゃん(875pt)「苦しんでいるのが自分だけじゃないってわかったら、少しは気分軽くなる?」


まーちゃん(840pt) → ゆりこ(只野)「君も何かで苦しんでるの?よかったら話して?」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(840pt)「それは…今は言えない。でも、チカラいっぱい戦って生きてるよ」
「言えない」というより適当な理由が思い浮かばなかった。


まーちゃん(805pt) → ゆりこ(只野)「なんだか事情があるみたいだね。そうだね、男がへこたれちゃダメだね」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(735pt)「本当に絶望したときは、希望をもとうとする力もないんだって。」


まーちゃん(595pt) → ゆりこ(只野)「この辺は田舎でね。たまたま見つけた広告見て、気づいたら入会してた。どこか逃げ道がほしかったのかもね」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(525pt)「失敗して怒られるの?いちかばちか謝ってみれば?大きな困難は一か八かのチャレンジが一番良く効くよ」


まーちゃん(525pt) → ゆりこ(只野)「たぶん殺されはしないだろうけど…なんとか言ってみる」


ひとごとだと、いくらでも勇敢になれる。


・・


まーちゃん(385pt) → ゆりこ(只野)「死ぬほどのことではないけど、ありがとう。すこし気分が軽くなったよ」


・・


まーちゃん(35pt) → ゆりこ(只野)「今日はこれでポイントなくなるけど、また買って連絡するね。ここは辺境だし、ポイント買いにいくのに早くて40分くらいかかるんだよ」


まーちゃん(0pt) → ゆりこ(只野)「あなたに話しかけてみてよかった」


などなど…


気づいたら雑談だけでかなりのポイントを消費してくれていた。
ゆりこ(只野) → まーちゃん(0pt)「こまったこととかあったら連絡してねわたしならいつでも依存していいよ」


非常に思いやりのある言葉にみえるけれど…


仕事の成果(返信の量)を責められないよう、キープ君を一人増やしたかっただけ。
悩みを聞いてあげるだけで返信を稼げるならオイシイ客だと、そう思っただけ。


でもいずれ付きあうようになるとは…
人はしばしば、運命を避けようとして取った行動で違う運命と出会う。


今日もたくさんの男をだました。
だけど「あなたに話しかけてみてよかった」という言葉は、
駅に向かうまでの足をいつもよりずいぶんと軽くさせた。

12.インタビューウィズSAKURA

司会: 「今日はサクラOBで筆者である『只野さくら』さんにおこしいただきました。」


さくら: 「よろしくお願いします。」


司会: 「世の中いろんな男性がいるようですが『考えられない考えをする出会い系のお客様』について、パネルを使ってこれからいろいろお伺いをしていきたいと思います。どうかよろしくおねがいいたします。まず、一人目なんですが…」


ロビン(3035pt) → ほのか(只野)「次でポイント無くなるからこの一通で返事決めてね」

さくら: 「次でポイントなくなるっていっても3035ポイントまだ持ってるっていうのが見えてるわけですよ。サクラやってる側には。この女(キャラ)にはポイント使うのこれでおしまいにして、残りのポイントでまた別の女ゲットしてやろうって魂胆がみえたりして嫌なかんじうけますね。」


司会: 「なるほど…。では次のケースですが。」


龍二(1605pt) → みえ(只野)「誰でもいいんならこうして熱心に誘ったりしないさ。君にはどこか他とは違う空気があるよ俺はまだ登録して間がないんだいろいろ教えて」


龍二(1570pt) → 君子(只野)「誰でもいいんならこうして熱心に誘ったりしないさ。君にはどこか他とは違う空気があるよ俺はまだ登録して間がないんだいろいろ教えて」


龍二(1500pt) → さえ(只野)「誰でもいいんならこうして熱心に誘ったりしないさ。君にはどこか他とは違う空気があるよ俺はまだ登録して間がないんだいろいろ教えて」


司会: 「下手な鉄砲数打ちゃあたる、って狙いですかね。」


さくら: 「みえも君子もさえも全部私が担当してるキャラなんですけどね。しかもコピーか定型文でメールしてるでしょう?さらにこの人の場合、登録したばかりか、ずいぶん前からお客さんだったっていうオマケつきでしたが…。」


司会: 「サクラも嘘つきだが、客、テメーらもずいぶんと嘘つきだなヲイ。ってことでしょうか?」


さくら: 「そんな感じですかね…でも、まだこういう人たちはかわいいです。」


司会: 「では、次のケース。」


正則(810pt) → みえ(只野)実はカミさんが、妊娠してて、やらしてくれないんだ。相性よかったらその後もエッチ目的で会ったりもするってことで、今日どう?」


司会: 「さっきまでの例に比べて、正直ではあるように見受けられるんですが…」


さくら: 「奥さんへの愛はどうした?って感じしませんか?結婚間もないってとこでしょうし…こんな気持ちを正直に出されても嫌ですね。」


司会: 「なるほど、じゃ、次のケース。」


ほのか(只野) → まさや(305pt)「私、生理中だからエッチはできないよ?」


まさや(270pt) → ほのか(只野)「いいじゃん。生理中のほうが!生で中出しもできるし俺は全然オッケーだよ」


司会: 「さくらさん、説明してください。」


さくら: 「自分の都合しかかんがえてないですね?もう、こういう人たちは、ポイント代とられるくらいの罰は受けるべきだと、個人的にはおもってしまいます。」


司会: 「次のメールは…ちょっと長いですね。」


高木(195pt) → 祐美(只野)「ハゲ・デブ希望というのを読んでメールしたんだ本当に処女奪えば300万円くれるの?じゃあ今からいうとこ来て!こんな若い子とするの初めてだよ…俺43歳です。あとタクシー代も」


司会: 「処女喪失希望の若い子が300万円で相手をさがしてるって設定だったんでしょうか?」


さくら: 「ちょっと、これはわかりませんね…」


司会: 「この女の子(のキャラ)は禿げ・デブフェチだったと…」


さくら: 「わかりません。すみません。」


司会: 「総括して記憶に残ってるってお客さんにはどんな方がいらっしゃいました?」


さくら: 「そうですね。オリのように記憶にこびりついてるのは、やっぱり変態メールを送ってくるお客さんですね。かなり多いんですよ!この人たちは出会い系の使い方が根本的に違います。まず、初めから会う気がない。メールで『おまえにピッタリのアナル栓かっておいてやったぜ』とか、『ほらほら、イッたまま止めておいてやる』とか『お前の汚い汁がついたものを舐めて綺麗にしろよ』とか送りつけること自体に興奮を覚えてるみたいなんですね。」


司会: 「倒錯的ですな!」


さくら: 「アポにはなりにくいので、楽は楽。かもしれません。でも『はやくご主人様のものを…』とか、何通も書かされてると参ってきます。欲望のはけ口を作ってあげることで、犯罪の予防にはなるかもしれませんが。」


司会: 「いや~世間にはいろんな男性がいらっしゃる。さくらさん、今日は安い給料でコキ使われて大変なところを、わざわざありがとうございました。」


さくら: 「いえ、こちらこそ。ありがとうございました(笑顔)」


11.職業病

人は天使でも獣でもないのに、
天使のようにふるまおうとしながら、
獣のように行動する。


そう言ったのは、誰だったろう?


いざ、ネットの向こうの男と話をするような段になって、そこに現れる男は、私が社会で目にする男の人とは違う生き物だった。


まず、本性むき出しの人がいる。


まさかず(105pt) → あみ(只野)「会ってやれるの?やれないの?どっち?」


ヨシト(465pt) → アスカ(只野)「俺にすれば?いっぱいイカせてやるから」


たぐっちゃん(1200pt) → あみ(只野)「男はいつだって、誰とだってやりたいさ。そう思うのが自然!」


自然?


もちろん、本音を隠す利口な人達も多い。それにしたって、会うことや直接の連絡先をよこさないで何通もメールしていると、たいていは不機嫌を隠さないようになる。


かたぎり(240pt) → ほのか(只野)「早く会いにいける場所、おしえてよ!!こっちはポイント代かかるんだから。」


義之(1005pt) → さゆり(只野)「どんな人間かを知るために会ってみるんだろうが!?」


田舎から出てきた小娘にも、さすがに男の本性というか、ある輪郭が浮かんできて、
顔をあげたときに目が合った、いつも教えてくれる男の子に聞いてみた。


「男って…いや、ここのお客さんって、結局、女とヤリたいだけなのかな?」
彼の説明は、いつも論理的でわかりやすかった。


(まいったな。)という顔をして、
「そういうことだね。ほら、男って風俗で何万円も使ったりするじゃない?それに比べたら、350円でうまくいけば一発…って、そう考えると安いと思っちゃうんじゃないの?同じ男として不名誉かなって気はするけど、わかってほしいのは、ほら、人間も生き物だから…」


わたしはモニターに目を戻した。


太郎(2405pt) → あみ(只野)「考えすぎてちゃ、恋愛なんかやってられないって」
(ヤリたいのは恋愛ですか?)


しげき(905pt) → えみ(只野)「メールって、顔とかが見えない分、ほんとうに相手のことがわかるよね」
(そうなのよ。悲しいことにね。)


確かに、「晩御飯なにたべたの~?」というような、内容のないメールを一通350円も出してする人は奇特だ。
あてこんだ利益への投資でないと、なかなかこんな出血はできない。


わたしに自覚がなかった適応力が目覚めたのか、いつしか客(男?)の性質を利用できるようになっていた。


ミユ(只野) → 太一(865pt)「ぶっちゃけ欲求不満だよつきあう人いなくなってもーヤバいよ学校帰りでもいつでも会いたいときに会えるひとかなってメールしたんだけど」


しのぶ(只野) → ミスターいとう(1095pt)「いま夫が出張中だから連絡してみたんだけどホテル行かない?うん出張中限定だけど誘ったのはわたしの方だしホテル代くらい出せるから…」


などなど。


・こっちにも同じ目的があるのよ。
・わたしこそが会うために最短の女よ。


こちらから出すメールにどこかそれを匂わすようにすると受信数は目に見えて増えた。

アイデンティティーのしっかりした女より、少しばかり頭の弱そうな女を演じてみたら食いつきがよかった…。


これで、エッチな関係が終わったら何がのこるのだろう?

わたしが真面目すぎる?


22時、わたしの終了時間。
手早くデスクまわりをたたむと、タイムカードを押した。
○○ネットが入っているビルを出て、駅へ向かう。


道ゆくサラリーマン風の男達が、せっせと携帯でメールを打っている。
ふと、彼らの相手はみんな、出会い系の相手のように思えた。


男を見る目が変わった。
大沢在昌が書いたとおり、都会は欲望のかたまりなのか?
都会が、男が、怖くなった。


出会い系をやる男は最低だ。
出会い系をやってる男とはつきあえない。


電車に乗りこみ、流れはじめたホームを見ながらそう思えた。