16.どうとでも、言える
名作の呼び名高い映画、『イヴの総て』。
ラストのほうで映画界の黒幕が女優をモノにするために迫るシーンは圧巻である。
女優: 「笑わせないで。」
男: 「笑うがいい。」
女優: 「古い言葉ね。」
男: 「この世界は古いんだ。」
結局、人間的に強いものが話をまとめてしまう。
正しいスジなんていうものはかき消されてしまう。
そういうことって多くないだろうか?
柔よく剛を制す ⇔ 剛よく柔を断つ
神様がいるって証明できる? ⇔ それなら、神様がいないって証明できる?
もう40歳だもんね… ⇔ まだ40歳だもんね。
がんばって! ⇔ がんばりすぎないでね。
女は強いんだからね! ⇔ だって怖いよ。女の子だもん…。
最後まで残ってくれた人を選ぶわ ⇔ 追うと女は逃げるのよ。
好きだからいいじゃない? ⇔ 本気なら、いい加減にしないで!
がまんできなくてメールしたの。 ⇔ しつこくすると嫌われるって思ってメールしなかったの。
自分にないもの持ってる人に惹かれるよね ⇔ 私達、似たものどうしだから惹かれあうんだね。
正反対のことを言ってみても、あまり不自然は感じない。
カップルでも、イニシアチブのあるほうが未来を作っていく。
だけど、あんまり強い女を男は好まない。
下手に出ながら都合のいい言葉を引き出せるかがポイント。
コツの一つは、『質問形式でメールする。』
返ってくるメールの内容は、その質問の答えとみていい。
男は基本的に女に嫌われることは言ってこない。
自分の心の広さを見せるか、ポジティブな方向で書いてくる。
だいたい、書いてくる内容は予測できるのである。
こうして、会話の先を読んで、会話を仕切っていく。
どんなバカっぽい言葉を使っても、話の流れをきめるポイントは外さない。
すっかりズルくなった…。
そう感じた。
あまり受信数が低かったり、客を怒らせるサクラはクビになってしまう。
強くなる必要があった。
生きのびるために…