17.たくましくなった、私 | 携帯男

17.たくましくなった、私

今月も25日が過ぎた。
サラリーマン達は給料をもらい、メールの返信も数が多くなった。


まっつあん(3395pt) → ほのか(只野) 「彼氏いないって言ってたでしょ?エッチなんてちょっと深いあいさつみたいなもんだしさ~」


まっつあん(3325pt) → チカ(只野) 「給料でたしよ本カノいねえし、金つかうことないじゃん。ウマいものでも何でもおごるからさデートしない」


まっつあん(3290pt) → ちづる(只野) 「焼肉でもなんでもいいよぉ明日土曜でガッコとか休みでしょ?この前僕とやってもいいってとこまで言ってくれたじゃん」


この人は、この3人のキャラがお気に入りだ。
長い付きあいをさせてもらってる。


一気に3人からOKがきたらどうするつもりだろう?


でも、わたしにとってみれば3倍効率がいいわけで、期待をもたせる内容のメールを送って気前よく返してもらう。


ほのか(只野)→ まっつあん(2660pt) 「うん、ひさびさエッチしてないしわたしもやり方忘れちゃうヨいっしょにでかけようっか?」


ちづる(只野)→ まっつあん(2590pt) 「いいよーハタチすぎてから外泊してもなんにもいわなくなったしねうちの親も」




ちょっと、ここらでトーンダウンしてみよう。


チカ(只野) → まっつあん(1680pt) 「でもそろそろ生理なんだよねデートしてるときにドバッときちゃうかも」


ちづる(只野) → まっつあん(1575pt) 「でも親って泊まりっていうとあんましいい顔しないし、映画みてお買い物するのが本当の目的だからね」



このタイミングで条件のいいキャラを作って送る。『捨てキャラ』である。


紀香(只野) → まっつあん(945pt) 「すぐ会えることが何より大切なの顔は名前の人によく似てるっていわれるよDカップの胸がちょっと自慢気にいらなかったらそのまま帰っていいケド今日会えたりしないかなぁ」


一発で反応がないなら、その後も何通か送るつもりだったが、すぐに反応が出た。


まっつあん(910pt) → チカ(只野) 「ちょっと残業が入って何時に終わるかわからないんだ今日はちょっと期待してくれないでいた方がいいなごめんよ」


まっつあん(840pt) → ちづる(只野) 「ごめんね携帯のほうに仕事の連絡入ってすぐ行かなきゃならないんだ明日になるかもしれないし今日は中止ってことで」


まっつあん(770pt) → ほのか(只野) 「ごめんよー今仕事の電話はいって今日はムリポだよ埋め合わせすっからまたこんどねー」


わかりやすい男だ。
ちょっと怒っちゃうぞ…


ちづる(只野) → まっつあん(735pt) 「仕事と私、どっちが大事なのおかげで今日やることなくなっちったよせっかくの週末なのにさ」


ほのか(只野) → まっつあん(735pt) 「せっかく3日も前から準備してたのにぃほんとうに償いしてくんないと怒っちゃうからね」


わびの返信も出さないか、こいつめ~。


その後『紀香』を使って遅い時間まで何通か送ってひっぱる。
で、丁寧におことわり。


紀香(只野) → まっつあん(2870pt) 「他に熱心に誘ってくる人がいて…今夜はその人にYesしちゃったのまっつあんとはせっかく知り合えたし、この次ってことでいい?」


紀香』に対して文句は来なかったが、さっき断ってきたキャラ達に連絡が入った。


まっつあん(2800pt) → ほのか(只野) 「仕事思ったより早くすんだやつぐないでもなんでもするからこれから来れるだろさっきまで準備してたんだから」


まっつあん(2730pt) → チカ(只野) 「おーいお前のためにがんばって仕事早くかたづけたぞまだ起きてるなら返事くれ」


まっつあん(2695pt) → ちづる(只野) 「行ってみたけど、仕事無かったよ今から大丈夫かい?」


もう遅い。


ほのか(只野) → まっつあん(2660pt) 「あれっ?済んだんならどうしてもっと早く言ってこなかったの~お風呂でちゃったし今から寝るとこだよ」


チカ(只野) → まっつあん(2660pt) 「おそいよもう2時間早く言ってくれたら出られたけど今日はもうムリポだよ」


ちづる(只野) → まっつあん(2625pt) 「えー今日はダメっていうからもう他の友だちと約束しちゃったよもちろん女友だちだけどね…」


デートの中止を持ちかけてきたのは自分のほうなんだから、こちらに非はない。
3キャラの信用は傷つかずに済んだ。


また、お付き合い願おう。
ムハハハハハ…


結局このお客さんは、わたし以外のサクラのキャラにも手を出していて深夜過ぎまでに給料の半分近くを使った。


自分で罠をつくり、ポイントを浪費させる。
そこにある状況をうまく使い、アポなどのピンチをきりぬける。


こうして、わたしはサイトからもある程度成果を期待される、中堅どころのサクラへと成長しつつあった。