携帯男 -4ページ目

第2章(同僚と) 目次

23.ロマンの果て

ごく最近、登録してきた客だった。ほんの数日、メールを交わしていた。


亜貴子(只野)→タコ社長(490pt) 「朝起きたら、紅茶はなにを入れる?キャンディかルフナでいいかしら?」


タコ社長(455pt)→亜貴子(只野) 「ルフナがいいかなぁ…でも、そろそろお別れだね。ありがとう。素敵なおつき合いだったよ。」


会いに来させるために、客の方から『君とはこれまでになる。』と言ってくることは多かった。


亜貴子(只野)→タコ社長(455pt) 「どうして?心の底からは私を信用してないって、そういうことかしら?」


タコ社長(420pt)→亜貴子(只野) 「いや、もうメールしてあげられない。白状すると、これから自殺しに山へ入るんだ…。もうポイント買ってあげる金もないんだよ。」


亜貴子(只野)→タコ社長(420pt) 「山さん(男の本名)、本当に社長だって言ってたじゃないですか…。」


タコ社長(385pt)→亜貴子(只野) 「社長にもいろいろあるんだよ。商品が陳腐化して全く売れない。新しい機械を入れる資金もない。従業員みんなに裏切られて一人ぼっちなの、これまで話したとおりさ。」


亜貴子(只野)→タコ社長(385pt) 「すべてを失っても、未来だけは残されてる…っていうじゃないですか?今あるものを工夫して、もうひとがんばりしましょうよ!」


タコ社長(350pt)→亜貴子(只野) 「あなたはそうやって、何とか一緒に方法を考えようとしてくれる。ご本人は素敵な方なんじゃないかと思う。でも、仕事でメール書いてる人だと、ずいぶん前に気づいていたよ。」


どこでそう感じたのか…
ショックだった。


亜貴子(只野)→タコ社長(350pt) 「私がサクラだって言うんですか?」


タコ社長(315pt)→亜貴子(只野) 「有料のポイント制…これでも一会社の代表をしてたんだ。考えてごらん?こんな65がらみの、莫大な借金持ちに24歳の若い子が本気で会ってくれると思うのかね?」


亜貴子(只野)→タコ社長(315pt) 「そんなの…わかりませんよ?」


タコ社長(280pt)→亜貴子(只野) 「自暴自棄になって、何気に手にとった携帯に広告が入ってたもんだから登録したんだよ。でも最後に、ちょっとしたストーリーが潜んでいたね。擬似恋愛とでも言おうか…。」


亜貴子(只野)→タコ社長(280pt) 「でも、これで終わらせるのは早すぎます!」


タコ社長(245pt)→亜貴子(只野) 「これは私くらいの歳になって思うことなのか、いや、私がこう考える性分なんだと思う。くだらない現実なら、素敵な夢のほうがまだいいと本気で思ってしまうみたいなんだよ。だから夢見せてくれた君への感謝にいつわりはないよ。」


彼はつづけた。


タコ社長(175pt)→亜貴子(只野) 「学生時代は映画監督になりたかった。勉強そっちのけでゴダールなんかの作品を夢中でみたよ。夢なんか見ないで、身の丈にあったサラリーマンでもしていればこういうことにはならなかっただろうね。」


タコ社長(140pt)→亜貴子(只野) 「自由やロマンを求めて企業したりしたのもそういう性分からだろう。この会社がどんどん大きくなって、社員がいつも笑顔でいるところを夢みた。妄想のなかにいるときは非常に気分がいい。しかし、そろそろ夢の償いをしなければいけない。」


亜貴子(只野)→タコ社長(140pt) 「それでも、死ぬのだけは間違ってるとおもいます!」


タコ社長(105pt)→亜貴子(只野) 「君は本当は優しいね。若いながらも一生懸命、いっしょに方法を探そうとしてくれる。一人ぼっちで死んでたはずのことを考えたら、どれだけ救われたと思う?」


亜貴子(只野)→タコ社長(105pt) 「今は感情がいっぱいになって、勢いで死にたいなって思ってるだけですよ!今晩は寝て、明日もう一回メールくれませんか?」


タコ社長(70pt)→亜貴子(只野) 「もう十分に考えた結論なんだ。もういいよ。ありがとう。充分だった。最後に一本の映画を見た気分だったよ。自分自身が主役になって…」


亜貴子(只野)→タコ社長(70pt) 「もう今夜は休みましょう?明日、今と同じぐらいの時間にメールしてください。来るの、待ってますからね!」


タコ社長(35pt)→亜貴子(只野) 「君からくれたメールなどは、全部メモリーから消しておくから。事件にはならないと思う。顔も知らない愛する人へ、ありがとう。」



嘘か本当か、この後何を送ってもこの人からの返信がくることはなかった。



第1章(サクラ・イントロデュース) 目次

22.まーちゃん②

まーちゃん(735pt)→ゆりこ(只野) 「ゆりこをはげまさなきゃいけないのに、僕がまいってちゃだめだよね…」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(735pt) 「どうしたの?困ったことがあったのなら私に話してみて?」


まーちゃん(700pt)→ゆりこ(只野) 「いや、仕事で失敗したって前言ったでしょ?失敗というか、どう考えても僕が悪いと思えないんだけど…」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(700pt) 「無理を言ってくる人がいるんだね?」


まーちゃん(665pt)→ゆりこ(只野) 「おかげでもう、この仕事辞めようかっていうくらい悩んでる。ご飯も食べられない。悩みばっかりでおかしくなりそう…。」


田舎出身者のおせっかいか、何とか勇気づけたいと思った。


ゆりこ(只野)→まーちゃん(665pt) 「まーちゃん、ユダヤ人の知恵って知ってる?」


まーちゃん(630pt)→ゆりこ(只野) 「わかんない。どういうこと?」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(630pt) 「あのね、ある晩ユダヤ人の夫婦がいつものように同じベッドで寝ようとしたの。でも夫の方がいつまでも妻のとなりに入ろうとせず、ベッドのまわりをグルグル歩き回ってるの。」


まーちゃん(595pt)→ゆりこ(只野) 「どうしてグルグル歩き回ってるの?」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(595pt) 「うん、それで妻が疑問に思ってそう聞いたの。そしたら夫は『明日は友人に金を返さなきゃいけない日なのに、返すメドがたたないんだ!それが気になってとうてい眠れやしない!』って、そう答えたの。」


まーちゃん(560pt)→ゆりこ(只野) 「それで、どうやって返すの?」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(560pt) 「返すんじゃなくて妻はこう言ったの『そのままほっときなさい。そうすれば明日以降、眠れなくてベッドのまわりをグルグルまわってるのは、その友人の方でしょうから』って。」


まーちゃん(525pt)→ゆりこ(只野) 「ずぶとくなれって事?」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(525pt) 「ううん、何にでも無神経になれってことじゃないと思うの。ゆりこは・・・。自分に非があるときは相手の言うことをよく聞くべきだとおもうよ。」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(490pt) 「でも、これが正しいって思ったら、そこにしっかり碇をおろして、そこからながされないように戦いなさい。相手のことでくよくよ悩まずに…。まーちゃん?会社員である前に、あなた、男なんだから…」


この仕事を始めて、自分が他人事だとやけに勇敢になれる性格だと気づいた。


まーちゃん(455pt)→ゆりこ(只野) 「男なんだから…その言葉、弱いね。ゆりこはもし、クビになったり、みじめな結果に終わっても、僕に愛想つかさない?」


ゆりこ(只野)→まーちゃん(455pt) 「どんな仕事を選んでも、わたしの気持ちがかわることはないよ。苦しいときこそ、愛がためされるんじゃないの?」


適当な約束は、慣れると快感にさえなってくる。


まーちゃん(385pt)→ゆりこ(只野) 「そう言ってくれるの?何を失ってもゆりこが残るんなら、なんだか怖くなくなったよ。ごめん、ちょっと涙が出てきた…」


よく泣く男だ。
本当に深刻だったのか…。


まーちゃん(315pt)→ゆりこ(只野) 「ありがとう、ゆりこ。あした対決してくる。」


対決?
メールした後で少し考えた。


理不尽な世の中、上の無理を聞かなきゃいけない時はままあるだろう。
小娘の私にもわかる。


ついその場の勇気をつけてあげたいと思ってしゃべったけど、これでいいのだろうか?
このまま特攻していってクビになったり生活に困ることになったらどうする?



「…ま、いいか。」


サクラは一日に何百通ものメールの相手をする。
いちいち一人の客のことで深く悩んでいられない。


お知らせ(5)

dolphin1999さんが読者になってくれました!
人々の考え方、自分自身の考え方/
詩あり、恋愛論あり、自身のまわりのことなど…
いろんなトピックのアソートです。
指フェチなのだそうで、指に自信のある方は…(以下略


ゆきさん(cm116149571)が読者になってくれました!
女子高生の恋///
ゆきさんは女子高生です。
さくらとあんまりかわりませんね(^^;;;;
エッチしたこと、バイトのことなど、今時の女子高生の生活感が感じられます。
さくらが高校生のときは…(以下略


ふくしろさんが読者になってくれました!
ふくしろ地獄便
ふくしろさんの応援は強烈ですね。
稀なタレントを手に入れた気分です。
バルセロナからロナウジーニョをゲットした気分です。
へびににらまれたかえるゲロ。素直に読者登録するゲロ。よろしくゲロ。 表現あってますかね・・・ (((((((o≧▽≦)oウケケ
↑ふくしろさんの読者登録とともに送っていただいたメッセージなんですけどね、表現あってるか調べようと思ったけど、今は辞書がないんですよ…


murphyさんが読者になってくれました!
32歳、働き盛りの今風の男性のようです。
官庁街へお勤めのようですが、虎ノ門や内幸町とかあの辺でしょうか?
エリートなんでしょうかね?
32歳 最近気になること
不惑って、30歳でしたっけ…


takemehomeさんが読者になってくれました!
恋愛上手になる為に~いい人どまりの男の本音~/
クイーンは、さくらも好きで聴きます。
恋愛、上手になりたいですか?
本当のお金持ちはお金の存在を忘れてるって聞きます。
モテたいって気持ちを忘れたときに本当にモテるようになれてるんじゃないでしょうか?
『電車男』の批評をのせていらっしゃいましたが、『携帯男』の批評ものせてもらいたいものです(笑)。


がむばって更新します。さくらが一番大事だと思うのは本当に面白いって思ってもらうことです。お世辞や社交辞令じゃなくて…

さくらは本物がほしいです! I want it all!!←クイーン調で。

21.サクラ達の午後①

もうかっている会社はそれほどピリピリしないのか、この会社の雰囲気は今のところのどかだった。
少しくらい雑談したって、目くじらをたてるものはいない。


メールを入力するカタカタという音の中に、ボソボソ内緒話が飛びかう。


この仕事を始めて半年くらいたつSさん(男:30歳くらい)は、もうベテランのほうだった。
わたしより、結構年上なので話しやすい。


「女会員は全部サクラだなんて、思いもしませんでしたよ。」
わたしは、思ったことを言ってみた。


「いやー、僕も驚いたよ。インチキは思いっきりやった方がバレにくいんだねぇ。」


営業をしていたというSさんは人あたりもいい。


「よくこんな金もうけ、思いつきましたよね?」


「いや、初めはね、単に男と女の出会いを仲介するっていうことで始めた商売だと思うよ。だけど、いざ始めてみたら女会員の登録が集まらない…。そうだわね、ちょっといい女だったら周りがほっとかないでしょう?身近で間にあっちゃう。只野ちゃんだってそうじゃないの?」


「えー。私なんか…。」
と言ったが、のせるのがうまい人だ。


「で、サクラをまぜてみたけど、サクラのほうが全然かせぎがいい。そりゃポイント減らすのが目的だもん、早くたくさん減らしちゃうよね。そこで、人は易きに流れるというか、サクラの数ばかりどんどん増えていってこんな感じになった。ってとこかな?」


「客のほうはそんな可能性、疑ってもないみたいですよね。」


「あまりにも意外だからね!サクラの存在すら疑わないか、いてもごく一部だと思ってる。たまにいる客だけど、『俺にしたほうがいいよ。俺ってモテるんだ。』っていうから、『どういうとこがモテるの?って聞いたの。そしたら『このサイトだけでも俺とメールしたい女からジャンジャン送ってくるんだ。っていうわけ。みんなサクラメールなのに…。それとか、『あれは確実にサクラだった…。僕はそんな女に引っかかって何十万円もつぎ込んだんだ…。とか言う客に『そんなことがあったの…ひどい話ね。』とかなぐさめてる自分もサクラなんだよねぇ。『お前みたいなサクラ、たぶん現実では男に相手にしてもらえねぇ、救いようがないブスなんだろうな。とか言ってきたのもいるけど、僕、男ですから。あっ、いくら悔しいことを言ってくる客がいても『実はわたしはサクラです。とか言っちゃダメだよ。タブーだからね。」


「あはは…。」
と、わたしは笑った。


現実は小説より奇なりという。
イマジネーションを駆使しても思いつき難い商売だと思う。

20.窓、深き部屋より①

まーちゃんは、わたしが作ったキャラ、『ゆりこ』がどうにも気になるようだった。
約束どおりの、大雑把な自己紹介がおわると、まーちゃんはどうしてもゆりこと会いたそうだった。


「ほんとうのゆりこをみてみたい。」というのである。


このまま、まーちゃんとは、会いネタにもっていかず、雑談だけの関係を続けたいがどうすべきか?
ちょっと頭をひねった。


(こういうことにしてみるか…。)
と、わたしはカタカタとキーを打ちはじめた。


ゆりこ(只野) → まーちゃん(635pt) 「『会いたい』って言ってくれる人がいるの、正直にうれしい。でもね、そうできない理由があるの」


まーちゃん(600pt) → ゆりこ(只野) 「何?理由って、どうして今まで黙っていたの?僕にはいえないこと?」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(600pt) 「うん…はなすと私のことが嫌になって、もうメールもらえないんじゃないかと思うと、それが怖くて…」


まーちゃん(565pt) → ゆりこ(只野) 「メールやめたりしないって約束するよ!だから、よかったら話して!」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(565pt) 「実はわたし…今の医学で治るかどうかわからない病気なの…絶対安静って、病院の個室にずっと住まわされたままなんだ…」


まーちゃん(530pt) → ゆりこ(只野) 「ええ?本当だったらショックだよこの先、ずっとなの?治るみこみはないの?僕に何かできることない?」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(530pt) 「今まで、わたしって家族の足手まといだったの…一人で身のまわりのことも完全にできないし、入院の費用もかかる…わたしなんか必要な人間じゃないんじゃないかって…」


まーちゃん(495pt) → ゆりこ(只野) 「そんなことないよ!僕には必要だよ!たぶん家族もみんな不要だなんて思ってないよ!」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(495pt) 「ありがとう。わたしを励ますためにそう言ってくれるんだね?でもね、最近の家族はみんな冷たいの。もう誰のために生きてるのか、生きてる意味とかわからなくなってきちゃってたの…」


まーちゃん(425pt) → ゆりこ(只野) 「苦しんでいるのは自分だけじゃないとか、戦って生きてるっていってたのそういう事情があったんだね…ごめんね、そんなことも知らなかったんだね。どう言ってあげればいいのか…」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(425pt) 「いままでどおり、わたしの話相手になってくれる?元気になったら…わたし、まーちゃんの所へ行きたい」


まーちゃん(320pt) → ゆりこ(只野) 「うん、少し涙が出てきて…二人でなおそうね!ゆりこがあきらめても、僕は決してあきらめないから…」


いい奴だ…


こうして、ゆりこは不治の病で病院でひとり静かに…



   …という設定になった。

19.エースと呼ばれた男

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第2章(同僚と)

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仕事で使っているブラウザの画面から「受信ランキング」というページを開くと、その日働いたサクラたちの受けたメール数が表示される。


サクラの成績表である。
上から、受信数の多い順に表示される。


出勤のたびに、トップか、それに準じた場所に「中村」という名前があった。
うちのサイトでエースと呼ばれた男である。


なぜ、客は彼のキャラへメールしたくなるのだろう?
今となっても、わからない。わたしの気づかない男のツボをとらえているのだろう。


彼が客に送ったメールの履歴をみて、気づいた点をあげてみる。


①そのメールの女々しさ&期待させる内容。
 わたしの名前、呼び捨てでいいよ
 グズでごめんね…なんか泣いちゃう
 今のあこがれはね25歳以上のひとなんだ…(客は25歳以上だった。)
 本音ではアレが嫌いって女いないよ


「キャラに惚れさせればなんでもできる。」が彼の口癖だった。


②少しでも返信が遅れると、ムチを入れ、早い回転でメールを返させる。
 本気じゃなかったの?
 わたし、いつまでもこのサイトにいるわけじゃないから!
 他の人からもメールたくさん来てるんだけど、どうすればいい?


③くいとめて、しつこくしゃぶる。
 もう、メールできないの?
 逃げるの?本当はわたしの他に誰かいるんだね?
 もう寝るの?わたし、アソコが変な感じになってきて…


④その、華麗なまでのアポ回避。
 えぇ?もうお化粧落としちゃったし、お化粧してないトコみられたくないし今日はダメ
 もうお酒のんじゃったし、酔ったトコみられるの嫌だからダメ


なぜか、男は自然と「しかたないかな」と思わせられる流れにもってくのが不思議だった。


出会い系デビューな男や、少しでも自制心が弱い男が彼のサクラキャラにつかまると、もうおしまいだった。

メールを止めるきっかけが見つけられず、ポイントを減らしては購入し、散財の坂を転げ落ちていく。


彼のサクラキャラと結婚したいと言い出し、離婚してしまった男。


メールを続けたくてサラ金に手を出し、クビになった公務員。


一緒に暮らすんだと、ローンでマンションと家具を購入して今も会いにくるのを待っている客。


彼の操るサクラキャラの魔性か、
客の人生を大きく狂わせてきた伝説は、枚挙にいとまがなかった。


とにかく、彼が送り出すメールを読むと女以上に女なのである。


この出会いを成就させたいと、かなりの無理をしてもメールを返してくる客達…。
メールだけで人をこうにも操れるものだと、信じられないものを見た感じがした。


「中村」がどんな男なのか、頭の隅に置いておいてほしい。

これから始まる章で、たびたび重要な役割を演じる男だから ―――

おしらせ(4)

すみません(汗 更新するので手一杯で、紹介の方が遅れてしまいました…


bluewoods さんが読者になってくださいました!

養成所の真実

声優系のプロダクション、専門学校などのルポをされています。

声優だけじゃなくて、他の人生などでも考えさせられる点があります…

坂崎さん、さくらにとっても懐かしいです。ラジオ聞いてました。

実はさくらは、坂崎さんのノルソルバッヂ持ってます。


muteking さんが読者になってくださいました!

むてきんぐの恋愛中毒講座

恋愛と架空請求撲滅のブログをかかれていらっしゃいます。

ピカレスク系?

一見、つながりを考えてしまいますが…

恋愛中毒→恋愛を求め出会い系に手を出しちゃう→架空請求というながれでしょうか…

実は架空請求はチラッと、物語の展開上、出るかもしれません。

むてきんぐさんの情報をお借りするかもしれませんが、その時はお願いします…


nagayama さんが読者になってくださいました!

腐りきった世の中から、腐りきった世の中に

なんだかブルースの歌詞のようなタイトルですが…

詩のように思ったことを書いていらっしゃるのが印象的です。

書いてることに「なるほどな~」とも思うし、読者さんも多いかたです。

戦うことをを忘れていない青年っていう印象うけましたね。さくらは…

彼女さんと別れてしまったそうですが…

元気だしてください!


ようやく第1章を書きおえました。2章で人間をうごかしてドラマにしたいなぁと思っています。

1章はサクラのシステムの紹介ばかりで、理屈っぽくてあまり好きではありません。


ちょっと時間がとれたのでブログ内の整理をしてみたんですが、みずほさんたちの紹介を載せてるページがすっかり白紙になっているのに気づきました。

わたしの保存ミス?


どうなっているのでしょうか? > 藤田社長


急いで書いた回は、やっぱ文章的によくないので書き直すつもりでしたが、また今度になりそうです。

最近私生活で、ふとブログのことを考えたりすることがあります。

続きが待ち遠しいって、そう思ってくれるようにできないかなぁ…

18.オアシス

職場の端には喫煙所があって、スモーカー達が一服やっている。


ある者は、フリスクをガリガリ噛んでいる。


気を使って、客の喜ぶ言葉をさがし、サクラであることを悟られないように知恵を絞るのもストレスがともなう。


なにか清涼剤が必要だ。


今日も私は話しやすい客に個別返信でメールを書いた。


外から見ても仕事をしてるようにしか見えない。


ゆりこ(只野)→まーちゃん(1030pt) 「わたしは映画みるのがすきだったんだまーちゃんは何か映画見るの?」


まーちゃん(995pt) → ゆりこ(只野) 「映画みたよ、昔。高倉健のとか…」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(995pt) 「えー!?健さん?まーちゃん、歳って私と同じくらいじゃなかった?」


まーちゃん(960pt) → ゆりこ(只野) 「子供のころ、オヤジに連れられていった温泉ランドでよくやってたんだよ」


ゆりこ(只野) → まーちゃん(960pt) 「『幸せの黄色いハンカチ』見た?健さん出てるのだよ」


まーちゃんは、わたしのキャラ『ゆりこ』のことがよほど気に入ったらしい。


何を書いても怒ったりしないまーちゃんは、話しやすい相手だった。
てきとうに雑談していれば時間も返信もかせげた。


就業というオリに拘束された捕虜のたのしみ。


こうして、サクラの日々は続く。



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第1章(サクラ・イントロデュース)・完

 次から第2章(同僚と)が始まります。
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