40.北陸純情物語
しょうこは働きづめ
昼はレジ打ち
夜はこの北陸のスナックで
店が暇になると、マスターは早くあがってくれという
そんな日は一人、自分のアパートで小さくなる
集金の人がくる月末は、もっと小さくなる
二人で約束したこと
二人で借金を返そうと
わたし、いろんな男の体しってるよ、借金だっていっぱいある
おまえは人が良すぎるから、そんなになったんだろう
俺だって借金あるさ、でも、もう返す
探していたのは、お前か、答えか
わからなかったあの頃
お前は俺にたましいをくれた
もう答えはしっている
これからはそれに向かって、
トラックのハンドル握るんだ
愛し合うことは、互いに見つめあうことではなく、
同じ方向を見つめることだと
いま、同じ方向をみつめている
同じ出口にむかっている
いつか二人で、日なたを歩こうって
しょうこ(只野)→正志(1705pt) 「寒いね。しょうこの部屋暖房無いから、これ以上寒くなったら夜中に目が覚めちゃうかも」
正志(1670pt)→しょうこ(只野) 「ありったけの着て寝ろよ。雪が降ると速く走れねぇ。もう高速に乗ってるし、荷物が遅れるとペナルティがあるから。これからぶっ続けで走るとしたらサービスエリアでメールしてやれないかもしれねぇけど」
実際のわたしは東京のオフィスで、
(ちょっと暖房ききすぎじゃないの?)
(誰か窓あけてよ!)
とか、考えていた。
正志(1565pt)→しょうこ(只野) 「お前が借金ぜんぶ返して、きれいな体になって会いに行きたいなんていうから」
しょうこ(只野)→正志(1565pt) 「前の男の人でできた借金だから、正志にまかせるのはスジ違いだよ?何年かかってもわたしが必ず返すから」
正志(1530pt)→しょうこ(只野) 「できるまで、だぞ。俺のはもう済むけど、お前の借金は桁がひとつ違うからな。ギブアップしたくなったらいつでもキャッチしてやるからな。なんか欲しいことないか?」
しょうこ(只野)→正志(1460pt) 「うん、しょうこ、また携帯とめられるかも知れない。わたしの方から連絡できないかもしれないかもしれないけど、正志のほうは、ちゃんと定期的に連絡ちょうだいね。浮気してないって確認だよ?」
正志(1425pt)→しょうこ(只野) 「それは、間違いない。こう見えて律儀なんだから。無理して返事しなくていいから。できるだけ楽な方法みつけるんだぞ?」
この客なら多少ほっといても大丈夫と、他の客に集中することにしていた。
そしたらやっぱり、定期的にはいっていた。
正志(1355pt)→しょうこ(只野) 「いま走りながらメール打ってる。自分の限界みたいなの知ってなんだか苦しい。金もない俺がいいって言ってくれたって、お前に与えてやれるものなんかありゃしない」
正志(1285pt)→しょうこ(只野) 「俺のが済んだら、いっしょに住んで、その借金いっしょに返せないかな?」
正志(1215pt)→しょうこ(只野) 「寒いけどな、いつか俺がやる。いつも暖かいもん着せて、食べさせて、俺はお前にそうしたいんだ」
正志(1180pt)→しょうこ(只野) 「まってろよ、いまに俺が壁ぶっこわしてやるから」
正志(1110pt)→しょうこ(只野) 「俺が…
・
・
ポイント代、ありがとう。
――― わたしはサクラ。
39.愛の証を
ゆい(只野)→タケヒト(1765pt) 「最近の若いコはみんなすすんでるんだよ。それで、かずひろは何人くらいと付きあったの?」
タケヒト(1730pt)→ゆい(只野) 「かずひろって誰?僕のほかに誰かいたの?」
ゆい(只野)→タケヒト(1730pt) 「かずひろ!?」
タケヒト(1695pt)→ゆい(只野) 「さっき僕にかずひろって書いて送ってきたでしょ?かずひろって誰?今まで僕をかずひろだって思ってメールしてたの?」
しまった!他の客の名前と書き誤った。わたしとしたことが…
たまたまこれが嫉妬深い客だったりする。どうかわすべきか?
タケヒト(1625pt)→ゆい(只野) 「メールしてる相手、僕だけだって言ったじゃない!!どういうことなのか、納得いくように説明してよ!」
正攻法でいくと「弟と名前まちがえたの」とかはぐらかしたり隠したりするけど、
その場のひらめきで逆に認めてみることにした。
ゆい(只野)→タケヒト(1625pt) 「うん、他の男の人とメールしてたの。そのひとがかずひろっていうんだ…」
タケヒト(1590pt)→ゆい(只野) 「そんな!ショックだよ!こっちは今まで相手は僕だけだと思ってメールしてきたのに…。どう責任取ってくれるの!?」
責任?
ゆい(只野)→タケヒト(1590pt) 「その人とはもうメールしないって言っても、ゆるしてくれないの?」
タケヒト(1555pt)→ゆい(只野) 「そんな言葉だけじゃ、もう信頼してあげられない!どれだけ好きなのか、行動で見せてよ!好きだっていう証拠見せてよ!」
嫉妬の評価は難しい。
嫉妬に狂う人は嫌。嫉妬されないのも嫌?
愛されているという安心は、自分自身への自信の投影か。
とするなら、
愛されていないという不安は、自分自身への自信のなさの投影、というのが対偶か。
嫉妬は悪質なもの?それとも、抑えきれないほどの強い好意か。
とにかく、アドレスとか会うとか、客の方から言い出さないうちに処理したい。
ゆい(只野)→タケヒト(1555pt) 「うん、それがね、わたしは他に本命の人がいるよって言ってるんだけど、その人、それでもゆいのことがいいって言ってくれるの」
タケヒト(1520pt)→ゆい(只野) 「それで、そいつとダラダラとメールやっていたわけだ!?」
ゆい(只野)→タケヒト(1520pt) 「でも、すぐ会いに来いとか、わたしに無理なこと一つ言わないで何でも言うこと聞こうとしてくれるの…そこまで思ってくれてるから、だんだんその人のこと、無視してると心が痛くなってきて」
タケヒト(1485pt)→ゆい(只野) 「それで、ゆいはそいつのことが好きなの?」
ゆい(只野)→タケヒト(1485pt) 「ううん。自然な気持ちでどっちか選べって言われたら、ゆい、タケヒトのこと選ぶよ。でも、こんなの愛じゃないかもしれないけど、そこまで自分を犠牲にしてくれる人のこと、何にも悩まずに切り捨てるなんて、ゆい、そこまで冷酷な人間になれないよ!愛することが大切なのか、愛されることか大切なのか、選びきれずにわからなくなってるの!」
タケヒト君。わたしはあんたが、
女が条件の良い方へ行っても仕方ないことだと、それくらいわかる奴だと知っている。
なんだかんだ言っても、『ゆい』を捨てきれない男だと、知っている。
さあ、どうくるの?
ヤセ我慢、見せてよ?
タケヒト(1450pt)→ゆい(只野) 「わかった…。ゆいの人のいいところが、その人を捨てきれなかったんだね?僕も少し我慢を覚えるようにするから」
やった。
愛の証は、あげられない。
TEL番も、本当のメールアドレスもあげられない。
ないものは、あげられない。
あげるのはネット越しの、愛の幻。
――― わたしはサクラ。
38.誰がために働く?①
夕方すぎ、決まって少しメールする人がいる。
この人がメールしてくるのは、わたしのキャラ『麻巳』だけ。
少々ワケありな人で…
麻巳(只野)→マミパパ(635pt) 「パパーもうおしごとおわったの?」
マミパパ(600pt)→麻巳(只野) 「あいはーいよちよち、今日は残業で帰れないよ…」
麻巳(只野)→マミパパ(600pt) 「パパちゃんと夜食べてね。麻巳、今日のお昼はちゃんと残さずに食べたよ」
マミパパ(565pt)→麻巳(只野) 「えらいねー。麻巳たん。ちゅちゅちゅちゅ…」
どうしてパパなのか?
この人はバツイチで、かわいがっていた一人娘を奥さんの方に取られたのである。
で、その子の名前が『麻巳』で、漢字も一緒。4歳くらいらしい。
ついついメールしないでいられなかったとのこと…
マミパパはこの後、再婚して幸せをつかめそうか?
わたし的には、ちょっと難しいかなと思う。
何度もメールしていると、段々わかってくる。
マミパパがどんな人かというと…
・よく遅刻してしまう。
・満員電車で殴られた。
・上司に書類を投げつけられた。
・取引先で叱責された。
…こんな人。
不器用でも、もがきながら生きている。
麻巳(只野)→マミパパ(530pt) 「パパにほめてもらいたかったよ!パパだーい好きだよ!」
やれやれ…
この人がむかしこぼした、「やっぱり麻巳がいないとどうして働いているのかわからない」という言葉。
苦しくなると、人って苦しみの理由を探したくなるんだろうか?
嘘でも現実を生きていく力になりそうだから、
わたしはちょっとだけ娘を演じることにしている。
37.北斗な千夏
女には辛い辛い時期がある。
月に一回ほど。
一週間ほど。
わたしは2日目が一番辛い
…
ちなみにこの日がソノ日だった。
仕事なんかしたくない…
…我慢して仕事。
バラエティ豊富な品揃え。
サクラにとってのそれとは、多様な個性のキャラクターを用意するということに他ならない。
スケールになるのが、有名人では誰々に似てます、という方法。
「わたし、○○に似てるよ」
などと書いてあげれば、お客さんのイメージの手助けになる。
ゆうこりん ≒ 天然?
伊東美咲 ≒ 高嶺の美女 など。
Myキャラ『千夏』は男っぽい口のききかたをするという設定。
外見: 若槻千夏
中身: 北斗 晶
というイメージからうまれた。そこそこ人気が出た。
ところで、仕事が辛い、こんな日のことである。
対価交換を要求してくる客はうっとうしい…
見栄晴(1235pt)→千夏(只野) 「こっちだってポイント代もうかなりつかってるしさ、そろそろそっちの直アドレスもらってもいいでしょ?」
たけしくん(945pt)→千夏(只野) 「この前は君の方から言ってきて、君のつごうで約束とりやめにしたんだから、今度は君が僕の言うこと聞く番じゃないのか?」
そんな感じだから
千夏(只野)→そんな客(-pt) 「あーうるさい!、会って面白くもなさそうならわざわざ会いに行く必要もねーじゃん」
というようなぶっきらぼうなメールをついうっかり出した後で、
怒った返事でも返ってくるかなー?と、思ってると、
そんな客(-pt)→千夏(只野) 「ごめんね、何かボク、気にさわること言っちゃったかな??」
みたいな返事が返ってきたりで、よくわからない。
こんな『千夏』を本命にする、それらしいお客がいた。
土木作業員の人だった。
けんぞう(1945pt)→千夏(只野) 「でよ、コンクリうってもう終わりかなって頃になって、誰もミキサー車頼んでないのに気づいてよ。それで大慌てで呼んだわけ。」
千夏(只野)→けんぞう(1945pt) 「あ、そう。」
けんぞう(1910pt)→千夏(只野) 「だけど急じゃ砂やら水やら全然混じってないわけ、そんなだから混ざるまで全員で座りこんで缶コーヒーよ。だからこの前は行けなかった」
千夏(只野)→けんぞう(1910pt) 「へぇ。」
けんぞう(1875pt)→千夏(只野) 「なんだよ、ずいぶんつれねぇな、お前ひょっとして今日、生理なんじゃねーの?」
千夏(只野)→けんぞう(1875pt) 「うっせーな男にはわかんねー辛さってのがあんだよ」
けんぞう(1840pt)→千夏(只野) 「そうか、そうか、悪かった。俺がわるい。なんでも聞くから」
千夏(只野)→けんぞう(1840pt) 「そんなデリカシーねぇからこんな所(出会い系サイト)で女みっけることになるんだよ」
けんぞう(1805pt)→千夏(只野) 「いやや…僕はこれでもモテるけどなキャバクラ姉ちゃんとか、あは、あはは。」
千夏(只野)→けんぞう(1805pt) 「そういうことを言うんだから、罰として今度会うのはお預けな。」
けんぞう(1770pt)→千夏(只野) 「えー、それが一番こたえるなぁでも、他になにか言うことないの?今は、なーんでも聞いたげるよ」
千夏(只野)→けんぞう(1770pt) 「でも、メールだけはしたい。」
けんぞう(1735pt)→千夏(只野) 「はいはい、どうぞ。」
千夏(只野)→けんぞう(1735pt) 「もう!そっちから、何か言ってよ!」
けんぞう(1700pt)→千夏(只野) 「そうね、とにかく暖かくしてるんだぞー」
優しい言葉で近づいてきて、会う約束をかわすと、とたんにキレて責めたてる。
サクラ稼業なんて、そんな客との日々の戦い。
でも、自分自身が本当に辛いとき、
こういう普段はぶっきらぼうだし、言葉もわるいけど、いざというときは優しい…
こんな関係のカップルもいいかな?と思った。
36.彼は秋葉系
お客さんにいろんな人がいれば、同僚にもいろんなタイプの人がいる。
宮出くんが座席につくのが見えた。
宮出くんがどんな人なのかというと…
・少し太っていてメガネをかけている。
・少し汚れたベージュのズボンに型の悪いチェックのガラのシャツ。
いわゆる秋葉系と呼ばれるタイプの人である。
サクラのバイトは「パソコンによる入力系の仕事~」というふうに募集してるので、
パソコンによる~の文言にひかれて「我が職を得たり」と、秋葉な人達もやってくるのである。
しかし、
沙都子(宮出)→のぶお(1385pt) 「それでどんなアニメとか見てるのかな(汗」
のぶお(1350pt)→沙都子(宮出) 「アニメって例えばどういうの?」
沙都子(宮出)→のぶお(1350pt) 「『おねえさまへ』とか『アリ見て』とか百合系なんかどうかな!?『百合兄弟』とか雑誌もみてるし(^^;」
のぶお(1315pt)→沙都子(宮出) 「『おねえさまへ』とか知らないな。アニメとか好きなんだね(^^;」
彼(ら?)の特徴は、アニメなど自分の趣味の話になると、ここぞとばかり濃い内容のメールを書き、本音では『女の子と会いたい』と思っている客の気持ちにを察するのがお留守になっているような感じがするところである。
いい歳の男の人で、アニメとか見てる人は少数派だった。
お客さんは会話についていけてない感じだった。
「なーにが『百合兄弟』だろうな?」
突然、太い声があがった。オフィスの隅に陣取っている中村とその一味だった。
「客も『萌えてる』らしいからいいんじゃねー?」
わざと本人に聞こえるくらいの、大きな声でいう。
アハハハと笑う声がひびいた。
女の人の笑い声も混じっていた。
これは、そう、
いじめ
である。
少し宮出くんのほうを見ると、彼は顔を真っ赤にして耐えていた。
こういう人たちは敏感なのである。
以前、宮出くんがわたしの席の近くにいたとき、自分のキャラに返信してくれる客が少ないんだと嘆いていたことがあった。
「僕は実際の恋愛の経験がないんだ。だから、キャラに色気が無いのはいかんともしがたい…。」
というようなことを吐露していた。
わたしはというと、男どうしのやることに何もできなかった。
ただ、何の話をしているのか、聞こえないふりをしているだけだった。
たまに、「今日のはよかったよ。」とかなぐさめを言うくらいだった。
それから、たまにしか宮出くんの姿を見かけることはなくなり、
やがて、すっかり見なくなると同時に、彼のタイムカードも消えた。
あいかわらず、サクラのバイトの出入りははげしい…。
35.ユーガットメール
サクラ中、ちょっとブレイク
どうすれば魅力的な、ホレさせるキャラが作れるのか?
資料を求めて、ネット上にある心理関係なんかのサイトを読んでいくうち、『恋愛の法則』というページに行きついた。
PCのそばにある、口を開けたせんべいの袋に手をつっこみ、一枚とりだした。
内容はこんな感じ、だった。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~
~恋愛の法則~ クリスティーヌ白滝
人が恋に落ちやすい状況…それには法則があります。
次の3つはそのなかでも普遍的な法則です。
①単純接触の原理
何度も相手と接触をもつことが、親しくなる第一歩。よく通う喫茶店や本屋などで、何度も特定の人と出会っていると、いつしかその人と恋が芽ばえる可能性大です!
②類似性による親近感
人は自分と共通点がある人に強い親しみを覚える、という性質があります。好きな映画の話などをして、「ホント!?気が合うね!」などと相槌してみましょう。
③自己開示の法則
人は自分にとって深い情報を話したとき、相手との互いの高感度が上がり、親密度が増します。彼女が自分の生い立ちなどを語りはじめたら静かに聞いてあげましよう。
でも簡単に自己開示できるものでもないし、異性に何度も接触を求めていくのには勇気がいりますよね?
そこで!この悩みを一気に解決してくれるアイテムがあります。
それは…
メール
なのです。
直接相手の顔を見ないから、現実で会話するよりも自己開示しやすく、相手も都合のいいときに読んでくれるので気軽に接触をもとめていけますよね?
気になる人ができたらマメにメールしてみましょう!
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~~・~・~・~・~・~
(メールねぇ、…)
でも、こういう商売をしていると、そうとばかり受け取れないのも確か。
せんべいをバリバリ齧りながら読んだ。
お知らせ(7)
帰省の準備に追われているさくらです。
ちょいとお盆で田舎に帰ります。ヽ(´ー`)ノ
1週間くらい。
来週の木曜か金曜に帰ってくる予定でいます。
ネットにつなげられる環境があればコメントとか書くかもしれないけど、基本的に更新はお休みしようと思っています。
休んで、パワーアップして書くので期待しててください!
帰ってきたら、またさくらの語りにつきあってくださいね!
お知らせ(6)
sciviasさんが読者登録してくださいました!
TEA FOR TWO
最近、ちゃんぽんで書いていらっしゃるとのことですが、わたしも、出会い系以外の何かテーマ追加しようかなって思っています。
最近はねこの写真がかわいいです。ブログしてる人はネコが好きな人が多いようですね。
うちはネコ飼えないです…。動物好きなんですけどね。
よめごさんが読者登録してくださいました!
わたしがしかけておいた読者取りワナに引っかかったようです。
(((((((o≧▽≦)oウケケ
九州出身とのことですが、『まぎれこみーた』みたいな感じでメキシコ訛り入ってます。
じつはよめごさんは、あの…!?
いや、ここでは述べないようにしておきましょう…。
↓どんな人かは
Negoさんが読者登録してくださいました!
恋愛操作 『男』『女』を徹底解剖スペシャル!
科学的な観点から恋愛を検証!
さくら的には、最近はじめた『検証サイト報告1』を見守りたいところ…
なるほどね感、高いです!
ネコさんが読者登録してくださいました!
ネコの気まぐれ日記
写真はご本人ですか?
ウッチ―に似すぎ!∑( ̄□ ̄;)!!
しかも内容Hだ!!
でも、お気に入りブログが『おっさんの~』とか『パチンコ~』とか
オヤジ臭がするものが多いのはなぜだ!?∑( ̄□ ̄;)!!
芸術家さんが読者になってくださいました!
『芸術家のブログ』
彼女さんとの恋愛の記録がメインです。
別れたり…いろいろあるようですが、そのたびに理解が深まっていくのだと思います。
ちなみにさくらの携帯もボーダフォンのノキア製ですよ♪
m-mimi-keiさんが読者登録してくださいました!
ね~ぇ★(現役女子高生ブログ)
高校生なのにいろんなブログテクつかってるところに驚かされます。
(高校生なのには失礼!?)
この『携帯男』、高校生の読者が多くて驚きます。
ちょうど関心がわく歳頃でしょうか…
でも、メアドとか、すぐに渡したりするの絶対やめたほうがいいよ!
tenshokuki29さんが読者登録してくださいました!
29歳毒男の転職記
就職して、車もあるし、あとは彼女(奥さん?)って感じでしょうか!?
でも、出会い系とかより、実際の女の人に声をかけるのが一番だと思いますよ。
電車男のようにがんばりましょう。
ブログに報告のっけてみたらどうでしょうか!?
ドラマになるかも。
tkfireさんが読者登録してくださいました!
ブログおもしろ話
とくにテーマをもうけず、いろんなことを書いていらっしゃいます。
最近は郵政民営化やスペースシャトルなど、タイムリーな話題が多いですね。
ブログ界のニュースジャパン…でしょうか。
ここの紹介文で、わたしのブログはこう紹介して欲しいとかありましたらコメント欄にかいてください!
できるだけご希望のとおりに書きたいとおもいます。
ありがとうございます。さくらの方も読んでくれてる人がいるんだ~と肝に銘じて書いていきます。
34.サクラ達の午後②
サクラA: 「おい、なんか半分こっちがサクラだって気づいててメールしてくる客いねー?」
サクラB: 「いるねぇ。会いネタふっても『いや…。』とか言って会おうともしない。真実を知りたくねー心理が働くんだろ。」
サクラA: 「会うことになると夢が終わるからって?んじゃ、何が欲しくて金出してまでメールするのかな?」
サクラB: 「中国だかのことわざで『ブスな女房でも、悪い愛人でも空っぽの部屋よりはマシ』って言葉があるど。実際に相手してくれる女がいないんならサクラでもいいやって感じになるんじゃね?」
サクラA: 「何も無いっていうのが一番キツいのかな?」
サクラB: 「無視がいちばんツラい悪口とか言うしなw」
サクラA: 「そういう、半分サクラってわかってる客のときどうしてる?」
サクラB: 「どーするもねーよ。俺たちゃ半分サービス業なんだ!相手に同調してやってホメ言葉の一つもかけてやれよ。また翌日から元気になって稼ぎに出るからさ。ポイント代をなw」
サクラA: 「サービス業か…そう考えたらちょっとまっとうな商売だね。」
サクラB: 「俺らはバーチャルホステスだろ?嘘でもなんでも心のバランス取りづらい奴らの心の隙間をうめてやるんだよ。ポチッとな。優しいだろ?俺たち…」
サクラA: 「でも、自分の唯一の心の支えだと思ってる人が架空のキャラで、しかも書いてるのが男の俺らだった…っていうのムゴくね?サクラだって気づいてる客って、そうやって半分自分をあざむいて生きるのかな?」
サクラB: 「多かれ少なかれ、人はみんなどこかで自分をあざむいて生きてるさ。」
サクラA: 「そんなことお構いなしに、とにかく返信ばっかさせる奴らもいるよな…」
サクラB: 「いるな。成績いい奴な。貧乏人から最後の米代まで取っちゃいけねぇよ。俺はかわいい悪党、目指すんだ…。はにゃんなっちゅっちゅってな。」
33.携帯男
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
【注意】出会い系でやり取りしているメールにはタイトルの部分と本文の部分があります。
これまで記述のうえで、タイトルの部分は省略して記載してきましたが、サクラテクニックの説明上、タイトル部分を省略できないところがあります。そういう場面では
ゆりこ(只野)→客の名前(客の持ちポイントpt) 「タイトル:本文」
という感じで『:』の前に緑色でタイトル部分を表記します。
なお、さくらたちが所属している○○ネットは、タイトルだけ閲覧→無料。本文開封→5ポイント消費という設定でやっているのはご存知のとおり。
以下は本編です。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
まーちゃん(470pt)→ゆりこ(中村) 「今しごと終わってポイント買ってきたんだけど、ゆりこ起きてる?これからどうすればいいかな?」
この時点でまーちゃんの持ってるポイントが470ポイント。
約13通のメールをやりとりできることになる。
この13通までがひとまずの勝負となる。
どうしてかというと、ポイントが切れると次のポイントを購入するまでに30分~1時間の時間的な隙が客にできるので、その間に
「どうして連絡くれないの?無視するんなら帰るから!」
とか、一方的なことを言って逃げたり、わりと好きにできるのである。
ゆりこ(中村)→まーちゃん(470pt) 「いま終わったんだね。わたし、海が見たいな。どこか連れて行ってくれる?」
まーちゃん(435pt)→ゆりこ(中村) 「海なら榛原の海岸はどうかな?ぼくのオンボロ車でよかったらドライブできるよ榛原の役場のまえでまちあわせでいい?」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(435pt) 「うれしい。タクシーでこっちを出るね!なにか持っていくものあるかな?」
まーちゃん(400pt)→ゆりこ(中村) 「なにもいらないよ!体ひとつでこっちへきて!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(400pt) 「榛原の役場ってとこまで行けばいいんだね?タクシーの運転手さんにそう伝えるね。わたし…手持ち少ないけど会ってから食事でもしようね。おごるから」
まーちゃん(365pt)→ゆりこ(中村) 「そんな…いいよ。無理して出てきてくれるんだから!男のミエもあるし僕がだすよ!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(365pt) 「ううん。いいの。わたしが出すよいい思い出になるといいねいいお店知ってる?」
まーちゃん(330pt)→ゆりこ(中村) 「海岸沿いの道路にどこか店があるはず」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(295pt) 「まーちゃんってなんでもよく知ってるんだねわたし、地名とかまったくしらないの」
・
・
ゆりこ(中村)→まーちゃん(260pt) 「いまタクシーに乗ったよ。そっちに向かってる。1時間くらいになるだろうって」
まーちゃん(225pt)→ゆりこ(中村) 「もう出たの?女の人だからもうちょっと準備かかるかと思ったよ天気が崩れるとか言ってるよ暖かくしてきてね!」
ここで中村君は、まーちゃんに返信させる時間を与えず、たてつづけに5通のメールを出していた。
①ゆりこ(中村)→まーちゃん(225pt) 「今そっちに向かってるから:だいたいの準備はしてたからね。すこし緊張して」
②ゆりこ(中村)→まーちゃん(220pt) 「今そっちに向かってるから:だいたいの準備はしてたからね。すこし緊張して」
③ゆりこ(中村)→まーちゃん(215pt) 「今そっちに向かってるから:だいたいの準備はしてたからね。すこし緊張して」
④ゆりこ(中村)→まーちゃん(210pt) 「今そっちに向かってるから:ごめんね携帯の操作まちがえちゃった。それでタクシーの運転手さんに聞いたんだけど榛原の役場はちょっと遠くてわたしの体力では無理みたい…途中に島田の市役所があるって教えてくれたんだけどそこでいいかな?そこなら大丈夫だよ!…もしまーちゃんの方がダメなんだったら連絡くれる?」
⑤ゆりこ(中村)→まーちゃん(210pt) 「ごめんね携帯の操作間違えちゃって:わたしのメールちゃんと届いてたかな?読んでるなら読んでるって、まーちゃんからの返事もらってもいい?」
まーちゃん(175pt)→ゆりこ(中村) 「届いてるし、読んでるよ!ゆりこ緊張してまちがえたんだね。僕もちょっと手がふるえるよ」
①~③まで失敗したふりをして同じメールを送りつけている。
3回同じ内容のメールを読まされた後、4回目も同じタイトルのメールが送られてきたら4回目はさすがに本文を読まない。
本文を読むだけで5ポイント消費してしまうからである。
しかし、その4通目にこそ、『行き先変更』という重要なことが書いてあるという罠。
ここで4通目も読まれていれば、また別の手を打つはずだが4通目と5通目の間では5ポイント減ってない。まーちゃんは4通目を読んでないと確認できる。
もう結果は見えていた。
二人の行き先が違うのだから会えるはずがない。
あとで会えなかった理由を争っても『ゆりこ』を責めるのは難しい。
「ちゃんと読んでない方が悪い。」
ましてや、「届いてるし、読んでる」とまーちゃんは送ってきてるのである。
ここから読み飛ばしたメールを読みに戻らないペースで適当に出し続けるくらい、彼(中村)にとってはぞうさもないことだった。
ゆりこ(中村)→まーちゃん(70pt) 「クサい言いかたかもしれないけど、末永く仲良くしてねよろしくおねがいしマス」
まーちゃん(35pt)→ゆりこ(中村) 「ゆりこからそんなこと言ってもらえると思わなかったよ…もうちょっとしたら運転するから返事できなくなるかもしれないよ」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(35pt) 「役場の近くについたら連絡するから」
まーちゃん(0pt)→ゆりこ(中村) 「えっ、そうなの!?じゃ、もうポイント無くなるから追加してからいくね」
・
・
ゆりこ(中村)→まーちゃん(500pt) 「いま、役場近くの郵便局のところでタクシー下りたよ。ここからどう行けばいいの?」
まーちゃん(465pt)→ゆりこ(中村) 「そのまま西にある道をまっすぐ進んできて!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(465pt) 「西ってこっちだね。何メートルくらいかな?」
まーちゃん(430pt)→ゆりこ(中村) 「5分か10分くらいだよ」
・
・
ゆりこ(中村)→まーちゃん(220pt) 「ずいぶん歩いたけど、人がまばらになってきたよ?本当に西の方でよかったの?」
まーちゃん(185pt)→ゆりこ(中村) 「おかしいね。時間がかかり過ぎる。そこってまだ住所、榛原ってなってる?」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(185pt) 「まーちゃん、わたし地名とかよくわからないよ。目立つ建物とかないの?」
まーちゃん(150pt)→ゆりこ(中村) 「小学校と高校が近くにあるけど、通り過ぎた?」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(150pt) 「小学校?そこに人がいるから聞いてみるね?」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(80pt) 「わたし、小学校通り過ぎたみたい今からもどるね、待ってて!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(45pt) 「わたし、歩くの苦しい役所までは歩くの無理かも…」
まーちゃん(10pt)→ゆりこ(中村) 「じゃ、小学校に待ち合わせ場所変更する?今から学校の方へ向かうから!もうポイントが無い」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(10pt) 「学校までなら、ちょっと距離あるけど大丈夫…それより苦しいもう立っていられないかも…」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(5pt) 「まーちゃん、どうして連絡くれないの?苦しいよぅ」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(0pt) 「まーちゃん、わたしどうすればいいの…?」
緊急感を出してポイントを買いに行く背中を押している…。
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まーちゃん(465pt)→ゆりこ(中村) 「小学校のまわり一周してきたけど、ゆりこが見当たらないからポイント追加してきた!今どの辺まで来てるの?体は大丈夫?返事できるかな!?」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(430pt) 「もう少しで学校に着くよ!もうすこしで感動のご対面…だね」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(395pt) 「いま学校に着いたよ。まーちゃん、どこ?」
まーちゃん(360pt)→ゆりこ(中村) 「学校の南側に車とめてまってるよ!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(360pt) 「わたしの方にまーちゃんがいないって事はこの裏が南側なんだね。いまから裏へまわるから!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(325pt) 「学校一周したけどいない…まーちゃん、こんなときにわたしを驚かそうとして隠れてるの?」
まーちゃん(290pt)→ゆりこ(中村) 「僕は動いてないよ!他の学校と間違えて来てないよね?」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(255pt) 「歩くの…苦しい」
まーちゃん(185pt)→ゆりこ(中村) 「どうしよう!?ゆりこ大丈夫?警察呼んだほうがいいかな…」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(185pt) 「ちょっと待って!今、まーちゃんらしい人見つけた。こっちから話しかけるから」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(150pt) 「ハァ?って顔された…人違いだったよわたし、小学校と間違えて高校のほうへ来たのかも…今からもうひとつの学校のほうへ行くから、まーちゃんは動かないで。待ってて!ごめんね…ドジで…泣いちゃう」
まーちゃん(115pt)→ゆりこ(中村) 「いいよ!ゆりこ。こっちから行くからそこを動かないで!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(115pt) 「ううん…いいの。わたしは倒れたっていい…今日はどうしてもまーちゃんに会って聞いてもらいたいことがあったの…」
まーちゃん(80pt)→ゆりこ(中村) 「どうしたの?何か思いつめたことがあったの?」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(80pt) 「うん、わたしのおばさんがね…その人はわたしの父の姉で、母さんと父さんが結婚するとき最後まで結婚に反対してた人なんだけど、その人からわたしは、『おまえはいらないはずの子だった』みたいに言われたの」
勝手に人のキャラのストーリー作るな!と思ったけど感嘆した。
(こいつは大嘘の天才だ!!)
まーちゃん(45pt)→ゆりこ(中村) 「ひどいね!そう思う人もいるのかしれないけど、僕みたいにゆりこをかけがえのない人だって思ってる人間だっているよ!」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(45pt) 「やさしいね…今から会ったらギュッと抱いてねわたし、意地でもまーちゃんのもとへ行くから…苦しいけど、わたしのまーちゃんへの気持ちを試してみるの…」
まーちゃん(10pt)→ゆりこ(中村) 「そんなに苦しい思いまでして…ごめんね、涙出てきちゃった。いくらでも待つから急がないで!でも、ゆりこを早く暖かいところへ連れて行かないと!僕の胸でよかったらあとでいくらでも貸すからね…ここでゆりこを待ってる!」
萌えている…
中村君の乾いた笑いが聞こえてきそうだ…
ゆりこ(中村)→まーちゃん(10pt) 「まーちゃんいない…ここでも一周してみたの。結局まーちゃんとは出会えずじまいなのかな?本当はどこにいるの?もう病院に帰らないといけない時間になったのに…。今から帰りのタクシーひらうね…遅くなるとつかまらなくなるから」
ゆりこ(中村)→まーちゃん(5pt) 「いまタクシーのなかだよ…運転手さんに『唇が紫色ですよ。』っていわれちゃった…まーちゃんって本当に存在するよね?ゆりこ、こんど待ちあわすときは島田の役所とは違うところがいいな…」
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まーちゃん(400pt)→ゆりこ(中村) 「ポイント追加して、もらったメール、全部読んだよ。島田の役所だったみたいね…ごめんね。僕がよく読んでなかったからゆりこをこんなに危険な目にあわしちゃって…僕のこと嫌いになってなければいいけど。」
まーちゃん(365pt)→ゆりこ(中村) 「でも、今日はゆりこと一歩前に進めた気がする。」
…。
(いーや。実際は一歩も進んでなんかいないよ!)
騙される側は常にピエロ、なんだろうか?
サクラは、アリとキリギリスで言えばキリギリス的な職業である。
アリのように地道に生きている人のようにはかなわないと、この物語の終盤で思い知ることになるのだが。
まーちゃん(330pt)→ゆりこ(中村) 「雨が降ってきたね。僕、しばらくここでこうしてるね…」
この寒空の下、雨の中、まーちゃんは待ち続けたのである。来るはずがない人を…
――― 携帯電話を、握りしめて。