34.サクラ達の午後② | 携帯男

34.サクラ達の午後②

サクラA: 「おい、なんか半分こっちがサクラだって気づいててメールしてくる客いねー?」


サクラB: 「いるねぇ。会いネタふっても『いや…。』とか言って会おうともしない。真実を知りたくねー心理が働くんだろ。」


サクラA: 「会うことになると夢が終わるからって?んじゃ、何が欲しくて金出してまでメールするのかな?」


サクラB: 「中国だかのことわざで『ブスな女房でも、悪い愛人でも空っぽの部屋よりはマシ』って言葉があるど。実際に相手してくれる女がいないんならサクラでもいいやって感じになるんじゃね?」


サクラA: 「何も無いっていうのが一番キツいのかな?」


サクラB: 「無視がいちばんツラい悪口とか言うしなw」


サクラA: 「そういう、半分サクラってわかってる客のときどうしてる?」


サクラB: 「どーするもねーよ。俺たちゃ半分サービス業なんだ!相手に同調してやってホメ言葉の一つもかけてやれよ。また翌日から元気になって稼ぎに出るからさ。ポイント代をなw」


サクラA: 「サービス業か…そう考えたらちょっとまっとうな商売だね。」


サクラB: 「俺らはバーチャルホステスだろ?嘘でもなんでも心のバランス取りづらい奴らの心の隙間をうめてやるんだよ。ポチッとな。優しいだろ?俺たち…」


サクラA: 「でも、自分の唯一の心の支えだと思ってる人が架空のキャラで、しかも書いてるのが男の俺らだった…っていうのムゴくね?サクラだって気づいてる客って、そうやって半分自分をあざむいて生きるのかな?」


サクラB: 「多かれ少なかれ、人はみんなどこかで自分をあざむいて生きてるさ。」


サクラA: 「そんなことお構いなしに、とにかく返信ばっかさせる奴らもいるよな…」


サクラB: 「いるな。成績いい奴な。貧乏人から最後の米代まで取っちゃいけねぇよ。俺はかわいい悪党、目指すんだ…。はにゃんなっちゅっちゅってな。」