38.誰がために働く?①
夕方すぎ、決まって少しメールする人がいる。
この人がメールしてくるのは、わたしのキャラ『麻巳』だけ。
少々ワケありな人で…
麻巳(只野)→マミパパ(635pt) 「パパーもうおしごとおわったの?」
マミパパ(600pt)→麻巳(只野) 「あいはーいよちよち、今日は残業で帰れないよ…」
麻巳(只野)→マミパパ(600pt) 「パパちゃんと夜食べてね。麻巳、今日のお昼はちゃんと残さずに食べたよ」
マミパパ(565pt)→麻巳(只野) 「えらいねー。麻巳たん。ちゅちゅちゅちゅ…」
どうしてパパなのか?
この人はバツイチで、かわいがっていた一人娘を奥さんの方に取られたのである。
で、その子の名前が『麻巳』で、漢字も一緒。4歳くらいらしい。
ついついメールしないでいられなかったとのこと…
マミパパはこの後、再婚して幸せをつかめそうか?
わたし的には、ちょっと難しいかなと思う。
何度もメールしていると、段々わかってくる。
マミパパがどんな人かというと…
・よく遅刻してしまう。
・満員電車で殴られた。
・上司に書類を投げつけられた。
・取引先で叱責された。
…こんな人。
不器用でも、もがきながら生きている。
麻巳(只野)→マミパパ(530pt) 「パパにほめてもらいたかったよ!パパだーい好きだよ!」
やれやれ…
この人がむかしこぼした、「やっぱり麻巳がいないとどうして働いているのかわからない」という言葉。
苦しくなると、人って苦しみの理由を探したくなるんだろうか?
嘘でも現実を生きていく力になりそうだから、
わたしはちょっとだけ娘を演じることにしている。