15.燃える男 | 携帯男

15.燃える男


ジュン(2095pt) → アスカ(只野) 「186cm、A型某慶応大学を出て上場企業に勤めています。週末のドライブでも楽しみませんか?」


単発で送ってもゲットできる確率は低いとみたのか、五月雨式に出してきた。


ジュン(2025pt) → みえ(只野) 「186cm、A型、某慶応大学を出て上場企業に勤めています年上のあなたとなら安らげるかとメールしてみました。あなたの言うところへ出て行けますが、これからどうですか?」


ジュン(1920pt) → 未来(只野) 「186cm、A型、某慶応大学を出て上場企業に勤めています未来ちゃんからみたらちょうどお兄ちゃんくらいの歳かな?何時までなら遊べるの?」


ジュン(1885pt) → ともこ(只野) 「186cm、A型、某慶応大学を出て上場企業に勤めていますお酒の友だちもう見つかりました?カクテルの種類には詳しいですよ」


前半の部分は定型文だろうか?
この人はこんな感じで60万円以上、サイトにつぎ込んでいた。


なぜ、使ってしまうのだろう?


わたしが思い至った『タイ焼き理論』はどうだろう?


まず、タイ焼きをしっぽからかじってみた。
アンコが出ない。
何口かかじっていると、ようやくアンコが出てきた。
アンコが頭の方に、かたよって入っていたのである。


こんな感じで、


これだけスカを引いてきたんだ…
確率から言って、そろそろゴールドラッシュかもしれない。


次のポイント消費で金脈にカチンとあたるかも。
もう、このポイント購入で止めよう。


と、続けてしまうというもの。
アンコ(出会い)が出てくると思って。
もちろん、それまで消費したポイント代を無駄にあきらめるのが惜しいという感情も見逃せない。


ジュン(1815pt) → なつみ(只野) 「身長186総合商社勤めで某有名私立大を出てます最寄の場所まで車が出せますがもう他に決まった人がいますか?」


今度は学校名かくしましたか。
いろいろ試しますな…

この人は、この情熱をもって、受験競争を勝ち抜いたのかもしれない。


もしこの人が、このサイトの裏にはサクラしかいないと知ったら、どうするだろう?


プライドの高そうな人だし、
「こんなサイト、けしからん!」
と、猛烈に嫌悪して、とうてい入会なんかしないと思う。


ただ一つの事実を知るか知らないかで、人間なんて180度反対の行動を取ってしまうものなんじゃないかと思った。