47.もはや、ありえない① | 携帯男

47.もはや、ありえない①

休みあけ、出勤して
他の人の操ったわたしのキャラがどう振舞ったのか、チェックしていた。


美枝(伊原)→喜久雄(1095pt) 「ホントすっごく会いたかったのにぃ… すっごく残念ねぇ?わるいと思ってるならいまからへんじしてよぉ~」


この、伊原君は、中村君の一味の一人だった。
なぜかオフィス内でもマスクをつけて、猫背で作業をする人だった。


フロアは、サイト別に机で島を作って作業していたが、
彼らはそれを無視して、オフィスの隅でグループをつくってやっていた。


成績がいい(ポイントをたくさん削る)ので、管理も誰も、彼らに文句が言えないのである。


ゆりこ(伊原)→まーちゃん(335pt) 「まーちゃん、またわたし出かけられそうなんだけど、今日とか待ち合わせできないかなぁ?」



嫌な雲行きだ…


過去の履歴を読んで、誰かさんのマネでもしたかったの?
かと言って、伊原君、あなたにそんな芸当できるのかしら?



サクラにもいろいろ技術はあるけど、『会いネタ+まわし』は最高度の技を必要とする。


会いネタ+まわし』とは、

①待ち合わせ場所に客(メールの相手)を呼び出して、自分(キャラ)も現場へ行っていることにする。


②お互いすれ違い、すれ違いになるようにメールで誘導し、グルグル付近を移動させ、ポイントを削らせる。

というもの。


(ようやく、もう少しで会えるとこまで来たんだ)とか、(呼び出したのにいい加減にできない)とか、そういう心理状態からか、この段階になるとお客の方は通常、ポイントの勘定を忘れてどんどん返事を返してくる。


このキャラ、『ゆりこ』なら、病院で寝ていることにしていれば、平和にメール交換だけで済むはず、なのになんでわざわざ呼び出す必要がある?


少し腹がたった。


江戸時代、こんぺいとう職人は、角の数をいかに正確につくるかで、仲間と技術を競いあったという。


そんな誇り高いものかしら?


どうせ仲間と溜まっているときに「 …あの客、会いネタでまわしてやってよ~」とか、くだらない武勇伝の題材になるだけ…。


男の勲章のつもりかしら? バカバカしい…。


まーちゃんには、できれば見破って、出てこないようにしてもらいたい。



対してまーちゃんは、 どう出る…!?

                                            -つづく-