29.なんでそんなこと言うの!?
あれから数通送ったが、きょうもまーちゃんからのメールはこなかった。
一日こないだけなら過去に何度かあったけれど…
こう続けて何日も連絡がないのは初めてだった。
(やっぱり、お母さんのことが失敗だったかな。怒らせるか不機嫌にしたんだろう。今度から話題は厳選しないとなー。)
反省した。
表情の見えないメールでは、いろいろ悪い想像をしてしまう。
レギュラーの客を一人失ったことで、ここ数日、私の成績は『これだけは受信しないといけない』という暗黙のラインを越えたりもぐったりしていた。
でも、未練はなかった。
「これでいい」くらいに思った。
メール一通に350円もかけるより、もっと使い道があるはず。
どうせサクラしかいない。ゆりこなんて実在してやしない。
(いいやつなんだから…。)
けじめのつもりで1通送った。
ゆりこ(只野)→まーちゃん(0pt) 「元気でがんばってね。私の体、良くなりそうもないよ…健康で素敵な人見つけて幸せになってね。ゆりこ」
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半時間も経っただろうか。
その後、固定客になりそうな相手はいないか、わたしの持ちキャラに届けられたメールの山をゴソゴソあさっているときだった。
まーちゃんからのメールがまぎれているのに気づいた。
送られてきて間がないものだった。
まーちゃん(470pt)→ゆりこ(只野) 「なんでそんなこと言うの!?こっちがシカトしてると思って怒ったんだね…ごめんね。本当にお金がなかったの。ゆりこがくれるメールはタイトルだけ無料でみれるから辛かったり切ないときはサイトにつなげてタイトルだけ見て、毎日それで自分をなぐさめてたの」
まーちゃん(440pt)→ゆりこ(只野) 「返事がないけど、怒ったり急に体調をくずしたんじゃないことを祈ってるね。いつもメールしてあげられなくてごめんなさい。本当はいつでもゆりこと話していたいよ。お別れっぽいことを言ってきたみたいだったので大あわてで何とか買えるだけポイント買ったの」
(返さなくっていいのに…。)
わたしの知らないところでどうやら『ゆりこ』への気持ちは進行していたようである。
彼の必死なようすと(帰ってきたな。)というなつかしさで少しニヤっとしてしまった。