24.窓、深き部屋より②
今日もまーちゃんは『お見舞い』に来た。
この人の奥さんになる人は幸せかもしれない。
まーちゃん(665pt)→ゆりこ(只野) 「仕事で高価なもの壊したんだけど、思いきってあやまってきたの。ちょっとずつ給料から弁償していくだけで、あっけないくらい簡単にかたづいたよ。」
ゆりこ(只野)→まーちゃん(665pt) 「大人相手だからね。そんなものかもしれないね。」
まーちゃん(630pt)→ゆりこ(只野) 「はっきり言ってよかった。課長より偉い次長って人が、そういうハッキリしたタイプの男がいいって言ってくれたんだよ。」
案ずるより産むが易し、だろうか?
まーちゃん(560pt)→ゆりこ(只野) 「ところで、ゆりこの家ってお金持ちなの?だったら僕とつりあわないかなあ…」
ゆりこ(只野)→まーちゃん(560pt) 「どうしてそう思うの?」
まーちゃん(525pt)→ゆりこ(只野) 「うん、だって大きな病院で個室に入院してるんでしょう?…うちのおふくろはガンで死んだけど、最後は自分のウチの畳に布団ひいただけだったよ。」
ゆりこ(只野)→まーちゃん(525pt) 「おかあさん、ガンだったんだ…。」
まーちゃん(490pt)→ゆりこ(只野) 「うん、夏にカキ氷が食べたいって突然言い出してね…兄弟でお金だしてそれで何とか買ったよ。子供の頃…夕暮れに器を持って目をつぶって痛みに耐えてたおふくろを思い出したよ」
そんなことがあったんだ。
まーちゃんよりお母さんに申し訳ないと思った。
まーちゃん(385pt)→ゆりこ(只野) 「給料減らされるから思うようにポイント買えないし、メールしてあげられない時があるかもしれない。ゆりこって、他の人ともメールしてるのかなぁ?」
モニターの右下にある時計を見た。
21:38
わたしの終業時間が近い。
そろそろ、いつもの儀式だ。
ゆりこ(只野)→まーちゃん(350pt) 「まーちゃん…ちょっと無理しすぎたのかな?私、ちょっと熱っぽくなってきて…」
まーちゃん(315pt)→ゆりこ(只野) 「大丈夫?ゆりこ!無理をするから!」
ゆりこ(只野)→まーちゃん(315pt) 「もう休むようにするね。体力が落ちると看護婦さんに疑われちゃうの…」
まーちゃん(280pt)→ゆりこ(只野) 「無理しないでね!よくなったら連絡してね。いつでも待ってるから!」
もう一通来た。
まーちゃん(250pt)→ゆりこ(只野) 「大切なゆりこ。いまはゆりこが心のささえなんだ。つらい日は耐えられるし、何もない日も楽しい。元気になるまでいくらでも待つから」